低迷が続く横浜が、今オフにベテランを一掃することが28日、分かった。この日までに元日本代表DF松田直樹(33)をはじめ、FWの山瀬功治(29)坂田大輔(27)ら契約満了するベテランに戦力外通告した。年俸総額約1億2000万円に達する大型リストラ。クラブ側は世代交代を一気に進めて若返りを図りつつ、懸案の外国人FWの獲得資金を確保するつもりだ。

 横浜に嵐が吹き荒れた。大量リストラによる“大改革”は、今季から指揮を執った木村和司監督(52)や下條佳明チーム統括本部長ら強化部が意見交換を重ねた上で固めた。クラブ側は28日までに、松田をはじめ、山瀬、坂田の両FW、元日本代表DF波戸康広(34)、MF清水範久(34)に戦力外を通告。クラブ関係者によるとリストラは今後も拡大していく可能性が高いという。

 下條統括本部長は「チームの将来を考えた結果、苦渋の決断を下した」と説明した。10月から編成の構想を本格化させ、11月に入って戦力外選手の見極めに入ったという。

 松田は95年入団の生え抜きで、「闘将」「ミスターマリノス」と呼ばれたチームリーダー。27日夜に横浜市内のクラブハウスで戦力外を通告されると、動揺しながらも「移籍します」と現役続行の意思を明かしたという。今季32試合出場で5得点の山瀬は、28日に代理人を通じて伝えられ、坂田や波戸、清水もすでに通達を受けている。

 横浜は、リーグ後半戦から高校生FW小野裕二(17)の起用など、木村監督の意向で徐々に若返りを図ってきた。しかし上位争いに加わることなく今季を終えることになり、抜本的改革を決意。得点力ある外国人FWの獲得を目指す。大量リストラの背景にはその資金確保の側面もある。

 ベテランの大量解雇にサポーターも反応。フロントからの説明を求め、横浜市内のクラブハウスに約100人が集結。下條統括本部長が対応したが、一時騒然とする場面もあった。