来季ゼリコ・ペトロビッチ新監督(45)を迎えてJ王座奪回を目指す浦和が「さいたまダービー」で新シーズン開幕に出陣することが15日、分かった。来年2月20日にホームタウンのさいたま市が主催する「さいたまシティカップ」で、大宮とプレシーズンマッチを実施。大宮の本拠地・NACK5スタジアムでの開催で、市と両クラブが合意した。最近2年間は2勝1分け2敗の互角だけに、因縁の相手を倒し開幕へ弾みを付けたい。

 ペトロビッチ新監督が、就任1年目の開幕直前に、本番さながらの「大勝負」に挑む。さいたま市側はW杯イヤーによる変則日程を考慮して、毎年開催している「さいたまシティカップ」を年明けに開催する方針を決定。

 地域振興イベントとして、ホームタウンを共有する浦和と大宮による「ダービー戦」を両クラブに依頼し、合意を得た。20日までにJリーグ側へ申請、来年1月の同理事会で正式決定する。

 新体制で開幕に臨む浦和にとって、願ってもない相手とのプレシーズンマッチ。大宮とは公式戦通算12勝3分け5敗と圧倒しているが、J1では5勝3分け4敗。09年以降では2勝1分け2敗と互角の勝負を演じている。新監督の采配にサポーターの期待と関心が高まる中、開幕直前でチームの仕上がり具合を披露する有料の準公式戦となれば、負けるわけにはいかない。

 今季限りで退団するMFポンテ(34)の移籍先として大宮が有力視されており、直接対決が実現すれば注目度はさらに増す。結果次第ではリスクも負うが、柱谷GMは「いい試みだと思う。楽しみにしています」と期待する。

 浦和が開幕前のプレシーズンマッチでJ1勢と対戦するのは、07年のゼロックス杯G大阪戦以来。0-4で大敗したこの年、ACLを制覇したものの、国内タイトルを逃した。磐田とのプレシーズンマッチでPK戦負けした99年は、年間15位で翌年J2に降格。

 逆に、同杯G大阪戦で快勝した06年は初のリーグ年間優勝と天皇杯2連覇を達成している。今回の大宮戦も、シーズンを占う一戦になるかもしれない。

 さいたま市側では、鹿島と水戸が対戦する「いばらきサッカーフェスティバル」や千葉と柏の「ちばぎんカップ」をモデルに今後、さいたまダービーを毎年開幕前に定期戦として実施するプランも検討している。シーズン到来を告げる真剣勝負とともに、浦和がV奪回へのスタートを切る。