イシさんの考えることはお見通し!?

 仙台が今日16日、リーグ再開初戦でホームに札幌を迎える。手倉森誠監督(44)にとっては、指導者転向を勧められた恩師でもある札幌石崎信弘監督(54)とのJ1初対決。性格や好むプレーといった手の内は知り尽くしており、対策は万全だ。ナビスコ杯2連勝でスタートした6月。勢いのままに首位をキープするべく、最下位相手に取りこぼすわけにはいかない。

 J1で師弟対決だ。「もう師弟はつけなくていいんじゃない」と照れた手倉森監督だが「前回やった時はJ2だったからね」と対戦を楽しみにしている。NEC山形(現J2山形)で現役だった95年。石崎監督の「引退して指導者になれ」というひと言が、監督手倉森誠の出発点だった。山形、大分で師事した師匠のことはよく知っている。(1)攻撃的な性格

 札幌からすれば上位相手に敵地での一戦。守備から手堅く入るのが一般的だが「性格的に、アウェーで首位相手に守備からというサッカーはしない。前へ前へという展開を求める。そもそも、バックパスとかが嫌いな人だから」と分析する。札幌の基本システムは4-2-3-1。前線4人はいつも通り攻守でアグレッシブに動いてくると予想した。(2)若手の積極起用

 ユースからの昇格など、若手が最終ラインから前線まで満遍なく使われているのが札幌の特徴。「イシさんは若い選手を伸ばすのが大好き。何年か先を見据えれば間違いなくいい経験をしているだろうし、それが(若手の)モチベーションとなっている。危険な相手だよ」と警戒を強める。

 迎え撃つ弟子に抜かりはない。攻撃的な分、守備にもろさがある。ここまでリーグワーストの28失点で「点の取り合いもあるかもしれない」と、力でねじ伏せる展開も想定。若手が多いチームは勢いに乗せてしまうと怖いが「若手が多いことでゲームコントロールが整っていない」と指摘した。リーグはここ5戦で1勝2分け2敗。再開初戦で師匠を踏み台にして、首位固めに入る。【亀山泰宏】

 ◆仙台VS石崎監督

 石崎監督が大分、川崎F、柏(いずれも当時J2)時代の対戦では通算3勝12敗と大きく負け越している。ただ、08年の手倉森監督就任後は形勢が逆転した。09年にJ2で石崎監督率いる札幌と3度戦ったが、2勝1分け(1-0、1-1、1-0)と無敗。やはり、手の内は知り尽くしている?