ベガルタに“レフティーモンスター”が襲来!?

 仙台MFヘベルチ(24)への期待が高まっている。C大阪から新加入した助っ人最大の武器は強烈な左足。フィジカルトレーニング中心の鹿児島第1次キャンプではまだ全容は明らかになっていないが、手倉森誠監督(45)の評価も上々だ。例年以上の選手層が求められる今季、大化けとなれば、左利きが少ないチームにとって貴重なオプションが加わる。

 ワクワクさせる男だ。24日、5日目となった鹿児島キャンプ。シュート練習などがまだ行われない中で、ヘベルチが左足から繰り出す鋭いパスは目を引く。「練習の雰囲気からビッグクラブな感じがするね。自分との戦いの中で、どれだけ実力を出せるか。期待に応えられるよう、キャンプからアピールしていくよ」と表情は明るい。来日1年目の昨季はJ2草津、C大阪と渡り歩いた。日本での成功へモチベーションは高い。

 手倉森監督も「コンパクトな足の振りから、速いボールを蹴る」と、うなずいた。昨年2月、延岡キャンプ中に草津と戦った練習試合から目を付けていたという。「(上本)大海も嫌な選手だって買っていたし、セレッソで攻撃力を伸ばしたよね」。さらに「レフティーモンスター出現か?」という問いかけには「モンスターかどうかは分からない。ヘ“ベール”チだから。まだ脱いでないから」と得意のダジャレまで飛び出した。これも期待の裏返し、かもしれない。

 宿舎ではルームメートのウイルソンからチームの戦術や同僚の特徴について熱心にリサーチ。佐々木通訳は「入ったばかりでおとなしいけど、本来は陽気なキャラクターみたい。冷静でシャイなウイルソンと相性がいいし、上下関係が希薄なブラジルでは珍しく、年上のウイルソンの言葉をちゃんと聞いてます」と証言する。攻撃的な選手ではチーム唯一の左利き。「全力を尽くして、みんなと目標を勝ち取れるように頑張る」と貢献を誓った。左足の全面解禁まで、もう少しの辛抱だ。【亀山泰宏】

 ◆ヘベルチ(ヘベルチ・フェルナンデス・デ・アンドラーデ)1988年8月29日、ブラジル・サンパウロ州生まれ。08年にバスコ・ダ・ガマへ入団し、10年からジュベントス、同年12月からサンカエターノ、11年8月からパウリスタFCでプレー。昨季J2草津へ加入し、8月にC大阪へ期限付き移籍。J1通算13試合出場、無得点。J2通算22試合出場、5得点。173センチ、72キロ。