J1名古屋でプレーし監督も務めたセルビアのドラガン・ストイコビッチ監督(57)は、第2戦も監督としてのW杯初勝利は持ち越しとなった。後半8分のFWのA・ミトロビッチのゴールで2点差に広げたが、カウンターから2失点して引き分けた。

A・ミトロビッチ、MFコスティッチ、FWブラホビッチら主力選手に多くの負傷者を抱えたまま大会に突入した。0-2で完敗した初戦のブラジル戦後、ストイコビッチ監督は「戦術で負けたのではない、W杯前に選手たちが負傷してして不運だった」と悔しさをにじませた。

カメルーン戦は故障上がりの攻撃の要コスティッチが先発復帰。この試合前まで代表通算50得点を挙げているエースA・ミトロビッチも本来の調子を取り戻して、ゴールを挙げたが、高い身体能力を誇るカメルーンのカウンターを止めることができなかった。

昨年3月に就任したストイコビッチ監督は、ベテラン勢を外す大胆なチーム改革を断行。W杯欧州予選ではあのクリスティアーノ・ロナウド擁する同組のポルトガルを抑えて、組首位でW杯出場を決めた。就任1年半の国際試合は14勝3分け1敗。国民の期待も大きかったが、W杯開幕を前に主力選手に故障者が続出する不運に見舞われた。

ユーゴスラビア代表時代には、90年イタリア大会でベスト8進出などW杯2大会に出場したストイコビッチ監督の掲げる目標は90年を超えるベスト4。3日の1次リーグ最終戦のスイス戦に総力戦で臨む。