オーストラリアが、難敵デンマークを1-0で破り、06年ドイツ大会以来4大会ぶりの決勝トーナメント(T)進出を決めた。後半15分、カウンターからFWレッキー(31)が決勝弾。カタールでの今大会で躍進が目立つアジア勢で決勝T一番乗りとなった。これでアジア勢の1次リーグ白星は、過去最多の5勝(11月30日時点)となった。

    ◇    ◇    ◇

オーストラリアは、ボール支配率27%で、相手の60%の半分以下だった。それでも猛攻をしのいで、4大会ぶりの決勝Tを決めた。

後半15分、虎の子の1点を挙げたFWレッキーは、「守備がすごく良かった。球を奪ったら、カウンターをしかけようと考えていた」と充実した表情。ゴール後は仲間から手荒い祝福を受け「100回は頭をたたかれた」と笑顔で言った。

アジア予選プレーオフ、強敵ペルーとの大陸間プレーオフをへて、ようやくたどり着いた大舞台。アジア・サッカー連盟に所属する国で最も遅くW杯出場を決めたが、1次リーグ突破は一番乗りになった。サウジアラビアのアルゼンチン戦、日本のドイツ戦と世界を驚かせる金星が続いたアジア勢は、これで1次リーグ5勝目。現行制度となった98年フランス大会以降は「4勝」だった記録を、アジアのカタールで更新した。

ラグビー代表はワラビーズの愛称で有名。サッカー代表は、競技名とカンガルーを組み合わせた「サッカルーズ」の愛称で親しまれる。初のベスト8進出がかかる決勝T1回戦は優勝候補アルゼンチンと対戦。カンガルーのような跳躍力で、高い壁を乗り越える。

◆W杯は開催地域のチームが有利 欧州開催は11度あり、欧州勢が10度優勝。北中米と南米での開催は8度のうち、南米勢が7度優勝。初のアジア開催だった02年日韓大会は南米のブラジル、初のアフリカ開催だった10年南アフリカ大会は欧州のスペインが優勝。