【アルワクラ(カタール)5日】FIFAワールドカップ(W杯)カタール大会で、日本代表(FIFAランク24位)はクロアチア代表(同12位)にPK戦の末に敗れ、史上初のベスト8進出はならなかった。

試合後、森保一監督(54)が公式会見に出席。試合と今大会を振り返った。

主な一問一答は以下のとおり。

-試合について

「最後PK合戦になって、うーん…この試合をものにできなかったという結果を受け止めなければいけない。プレッシャーに負けてではない。相手のGKが素晴らしいセーブを見せた。日本は勇気をもって120分戦ってくれた。PKまでの流れの中で、できれば我々は勝ちたかったが、PKは仕方ない。胸を張って、世界で戦えることを示したこと、超えていけることを示してくれたことを誇りに思って次に向かってほしい」

-試合後の円陣で声をかけたことは

「自分でも何を言ったか忘れて覚えていないところはある。選手たちが、スタッフがこれまで努力を重ねてきてくれたことに感謝と、選手の努力が色あせることはないということを伝えた。16強の壁は破れず、新しい景色は見ることはできなかったと言われるかもしれないが、ドイツ、スペインに勝つという、優勝国に勝てるという新しい景色は選手が見せてくれた」

「何よりも日本が世界で戦い、勝っていけるという新時代を見せてくれた。でもこの悔しさを、次の成長につなげてほしいと言った。サッカーを続けているかぎり、選手もスタッフも常に成長しながら戦っていかないといけない。我々がこの素晴らしいW杯という舞台に立って戦えたのは、多くの選手が道をつないでくれ、関係者、国民のみなさんが応援してくれたことに感謝しようと伝えた。」

-PKの順番、人選は

「PKの順番は選手たちに決めてもらった。勇気を持って自分が蹴るということをやってくれた。成功、失敗はあるが、勇気をもって重圧がかかる中でチャレンジすることを見せてくれた」

-前半はボールを失ってでも守り、慎重だったように見えた。最後に1点とったことが後半に影響したか

「見方は自由で、受け入れたいと思うが、守備から攻撃にというところ、保持するところは、トライしようと伝えた。相手の強度もあるが、ボールを捨てることは絶対ないようにと伝えた。(18年W杯の)ロシアの反省で、リードしている中でポゼッションが下がることで押し込まれて最後に試合を持って行かれてしまう部分、体力も疲弊して戦えなくなるということがあった。守備から攻撃になったときにつなぐ意識があるかどうかが非常に大切で、よくトライしてくれた」

-ベスト8の力があることは見せられた。なにが足りなかったか

「十分チャンスを作れていて、勝っていてもおかしくない内容だった。終盤は少し、つなぐことができない状態になった。まだ強度が高いハイスピードの中でコントロールして優位に試合を進める部分では課題として考えなければいけない。だが、今日のベストをぶつけてくれた。いきなりスーパーマンにはならない。積み上げていってほしい」

-失点シーンについて

「クロアチアがシンプルターゲットを使ってきた。中央に高さを持って攻めてくることは注意していた。素晴らしいクロスとヘディングだった。過去の歴史でも、クロスからの失点は改善していくべき。ただし、これまでであれば、ロングボールで押し込まれてなかなか自分たちのボールにできない、押し切られてきたが、選手が新しい時代を見せてくれ、日本がパワーでもいけるところは世界の戦いでも十分跳ね返していけるところを見せてくれた」

-PKについて

「運と訓練、両方ある。育成年代を含めていろんな経験をしたが、ボールを強く、狙ったところに決めていくという部分においては、日本と世界のトップのチームとの差はあると感じていた。今日は相手のGKがすばらしかったが、もっと強く、狙ったところに蹴れるから駆け引きができる。今後のレベルアップのポイントだと思っている」