2大会連続の決勝進出に貢献した、前回王者フランスのDFテオ・エルナンデス(25=ACミラン)が兄弟愛をのぞかせた。

テオは前半5分、FWエムバペのこぼれ球に反応し、振り上げた左足で押し込み先制に成功。テオにとってこれがW杯初ゴールだった。

「信じられません。私は兄とこの幸せを分かち合いたいです」

兄とは、同じフランス代表DFのリュカ・エルナンデス(26=バイエルン・ミュンヘン)。ともにW杯メンバー入りしたが、兄にアクシデントが起きた。1次リーグ初戦のオーストラリア戦で先発するも、前半13分に負傷。代わってピッチに立ったのが、弟のテオだった。

リュカは右ひざ全十字靱帯(じんたい)断裂の大けがを負い、残り試合を欠場しなければならなくなった。仲間として、家族として、思いを背負い戦う今大会。準決勝で大仕事を果たした。「本当に信じられない。家族とデシャン監督に感謝でいっぱいです」。前回18年ロシア大会で兄は主要メンバーとしてフランスの優勝に貢献するも、テオはメンバーに選ばれていなかった。兄とともに同じ頂点に立つまで、あと1勝だ。