アフリカ勢初の4強入りを果たしたモロッコの快進撃はストップした。フランスに0-2で敗れ、悲願の決勝進出はならなかった。

敗れはしたが、確かな手応えが残った。モロッコのワリド・レグラギ監督(47)は力強く話した。

「W杯で優勝するためには、まだ努力しなければならないが、そう遠くはない」

前半5分に先制点を許した。それでもチームはここまで同様、自分たちのスタイルを披露した。ビッグクラブも注目の守備的MFアムラバト(フィオレンティナ)は激しいタックルでボールを刈り続け、ウナヒ(アンジェ)は巧みなドリブルでボールを前線へと運んだ。

同44分にはジエシュ(チェルシー)の右CKからヤミク(バリャドリード)がオーバーヘッド。ジャストミートしたが、横っ跳びした相手GKロリスに指先ではじかれ、惜しくも得点はならなかった。

「私たちは最大限のプレーをした。このレベルの試合ではミスをすると、その代償を払わなければ行けなくなる」

前回王者と対戦し、世界トップレベルを肌で感じた。それでもアフリカ勢としてだけでなく、アラブ代表としても、全力プレーで今大会最大のサプライズを起こした。

「最も重要なことは、大きな印象を与え、モロッコのサッカーが存在し、美しいファンがいることを世界に示したこと」

一気に頂点へ上り詰めることは出来なかったが、まだ3位決定戦が待つ。「3位でフィニッシュしたい」とレグラギ監督。次の相手も、欧州の強敵クロアチア。もう1度、旋風を巻き起こせるか。