前回王者のフランスが史上3カ国目の連覇へあと1勝とした。その中で、後半34分に値千金の追加点を奪ったのは、「遅れてきた男」FWランダル・コロムアニ(アイントラハト・フランクフルト)だった。

後半33分から出場したコロムアニは、その1分後に大仕事を成し遂げた。エムバペがペナルティーエリア内中央でドリブルを仕掛け、相手DF4人をひきつけると、右にいたFWコロムアニへパス。これを右足で押し込んだ。

このコロムアニやエースFWベンゼマが大会直前に離脱したことを受け、追加招集された選手だった。その直前までE・フランクフルトの日本遠征(11月16日浦和レッズ戦、19日ガンバ大阪戦)に参加していたが、急きょ代表チームに呼ばれ、浦和戦に出場せずに日本からカタール・ドーハへと向かった。

「まさに魔法のようだ。私はまだ夢の中にいて、目を覚ますのが難しい。キリアン(エムバペ)をフォローしたのが良かったし、うまくポジション取りできたことを誇らしく思う。今はまだ余韻に浸っているが、明日の朝になったら事実を理解できるかもね」と喜びを語った。

日本代表の鎌田とチームメート。悲しみも代表漏れから一転して「レ・ブルー」の一員として決勝進出に貢献するゴールを挙げてヒーローになった。誰が、こんな筋書きを予想できただろうか。