前回大会準優勝のアルゼンチンが「メッシ依存症」でチーム崩壊の危機に立たされた。エースのリオネル・メッシ主将(30)は多くのパスを受けながらも前線で孤立。両チーム最多11本のシュートも不発で、PKも止められる始末だった。チームも大会初出場のアイスランドに1-1と屈辱的な引き分け。エース頼みの攻撃は機能せず、優勝どころか1次リーグ突破にも暗雲が垂れ込めてきた。

 アイスランド戦ではFIFAの公式データにも「メッシ依存」が表れていた。90分間で受けたパス76本は攻撃陣で最多だった。得点した1トップのアグエロの38本を上回り、右のメサ(38本)左のディマリア(27本)が途中で退いたことを考えても突出して多い。守備と攻撃をつなぐマスケラーノが最もパスを送ったのもメッシで、その数は22本。一方でメサには8本でアグエロとディマリアには5本ずつだった。攻撃の手が「よろしくメッシ」になっていたことがうかがえる。

 前回14年ブラジル大会で、今回のようにボール保持率が7割を数えた1次リーグ第2戦イラン戦。メッシが受けた54本は、左サイドを駆け回ったディマリアの56本を下回った。マスケラーノもディマリアに18本も通し、8本のメッシより多かった。4年がたち、メッシ依存は重症化している。