前大会王者のドイツが後半途中に退場者を出しながらも後半ロスタイムにFKからMFクロースが鮮やかな勝ち越しゴールを突き刺し、劇的な逆転勝ちで1次リーグ突破へ望みをつないだ。

 先制したのはスウェーデンだった。前半32分、MFクロースのパスを中盤でカットしてカウンターを仕掛け、右サイドからのクロスボールを胸トラップで受けたFWトイボネンが右足でループシュート。これがGKノイアーの頭を越えてゴールネットへ吸い込まれた。ドイツは失点直前の31分にMFルディが相手選手との接触で鼻から出血してMFギュンドガンとの交代を余儀なくされており、不運が重なる形で第1戦に続く先制点を許した。

 負けると1次リーグ敗退のドイツもこのままでは終わらない。リードを許したまま折り返すと、後半開始からFWドラクスラーに代えて身長189センチのFWゴメスを投入。前線に高さを加えて得点を狙う。すると後半3分に左サイドを駆け上がったFWウェルナーのクロスをFWロイスが倒れ込みながら左ひざで合わせ、ドイツが同点に追いついた。

 その後も勝ち点3を狙って攻め続けるドイツは16分にも右サイドのDFキミヒのグラウンダーのクロスボールにロイスが飛び込むも、惜しくも合わず得点とはならず。なんとか勝ち越したいドイツだが、37分にDFボアテングがFWベリを倒し、2枚目のイエローカードを受けて退場。1人少ない状況で残り約10分を戦う苦しい状況を強いられることになった。

 終了間際の43分にもクロースの左サイドからのクロスにゴメスが頭で合わせるも、GKのファインセーブに阻まれて得点ならず。このまま終了かと思われた後半ロスタイム。左サイドのペナルティーエリア付近でFKを得ると、キッカーのクロースはボールを目の前にいるロイスに渡して位置をずらして蹴り、このボールが鮮やかなカーブを描いてサイドネットに突き刺さり、ドイツが土壇場で勝ち越しに成功する。

 試合はこのまま終了。第1戦を落とした王者ドイツは劇的な逆転勝利で、1次リーグ突破の望みを第3戦までつないだ。