GK川島永嗣(35=メッス)が1失点も、3度のビッグセーブでチームを救い、2大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた試合後、目に涙を浮かべた。

 ポーランド戦後、コロンビアに0-1で敗れたセネガルと勝ち点4で並び、反則の2ポイント差でH組2位を死守し、かろうじて予選突破を決め、ピッチ上には歓喜の輪が出来た。川島は「いろいろあったけれど、チームが1つになって目標に向かってやって来た。日本の多くの方の気持ちが、この結果につながった」と万感の思いを口にした。

 川島は前半21分、DFグリクが左クロスを頭で合わせた強烈なシュートを弾くと、前半32分にはポーランドFWグロシツキが右クロスを頭で合わせた強烈なヘディングシュートを、みぎて1本で弾くスーパーセーブを披露。ゴールラインすれすれに達しようとしたシュートをかき出し、こぼれ球をDF酒井宏樹(28=マルセイユ)がスライディングしてクリアした。後半8分にも、左サイドをFWジェリンスキに突破されて中央のグロシツキにパスを出されたが、渡る直前に体ごと飛び込み、防いだ。

 24日のセネガル戦では、前半11分に相手のシュートをパンチングで弾いたものの、こぼれ球が正面に待ち構えたセネガルFWサティオ・マネに当たり、そのままゴールインして先制を許した。2-2で引き分けたものの、相手エースにパスするかのような致命的な“パンチング失点”を喫した。

 試合後は自分のミスと認め、ポーランド戦前日27日の会見では「今度は自分が助けられるように、いいプレーをしたい」と誓った。その言葉を有言実行した守護神の目は、わずかに光っていた。