98年の母国大会以来となる2度目の優勝を狙うFIFAランク7位フランスと、悲願の初優勝を目指す同3位ベルギーが決勝をかけた大一番。フランスは出場停止だったMFマチュイディが先発へ復帰し、ベストメンバーで挑む。一方のベルギーは不動の右MFムニエが累積警告により出場停止。代わりに攻撃力の高いMFデンベレが先発に名を連ねた。

 19歳のエムバペ(フランス)対25歳ルカク(ベルギー)の若きエース対決や、グリーズマン(フランス)対E・アザール(ベルギー)の司令塔対決、ロリス(フランス)対クルトワ(ベルギー)のGK対決など見所の多い一戦がスタートした。

 最初にチャンスをつかんだのはベルギー。前半15分にMFデブルイネのパスを受けたE・アザールがペナルティーエリア内左から左足でシュートを放ったが、わずかにゴール右に外れた。3分後にもアザールが右足で強烈なシュートを打ったが、相手DFの頭に当たりゴール上を通過。同21分にCKからDFアルデルウェイレルトが左足でゴール左を狙ったが、相手GKのファインセーブで阻まれた。得点にはならなかったが、立て続けにチャンスを作った。

 攻撃の形を作れなかったフランスは、前半31分にようやくチャンスを作る。FKの流れから、右クロスをジルーが頭で合わせたがゴール右に外れてしまった。さらに2分後にはグリーズマンがペナルティーエリア外から右足でゴールを狙ったが枠を大きく外したが、徐々に流れを引き寄せてきた。

 すると、前半34分にここまでで一番の決定機をフランスが迎える。ロングボールに右サイドを走っていたエムバペがダイレクトで中へ入れ、中に飛び込んできたジルーが左足で合わせたが、枠を捉えられず。先制点は奪えなかった。4分後にもビッグチャンス。エムバペのスルーパスをペナルティーエリア内に飛び込んできた右サイドバックのパバールが右足でシュート。これは相手GKの足に当たり、またしても得点に結びつかなかった。

 前半は序盤ベルギーが優勢だったが、中盤以降はフランスが主導権を握り返す展開となったが、両チームとも得点は生まれず、0-0で折り返した。

 後半開始早々に先制点が生まれる。6分、グリーズマンが蹴った右CKを、DFウンティティが194センチの相手MFフェライニに競り勝ち頭で決めて、フランスが待望の先制点を奪った。

 同11分にもフランスに決定機。華麗なパス回しからペナルティーエリア内でエムバペヒールパス。パスを受けたジルーが左足で打つも、懸命に戻ってきた相手DFの足に当たってノーゴールとなった。

 防戦一方となったベルギーは後半15分にデンベレに代わり、FWメルテンスを投入する。メルテンスは右FWに入り、デブルイネが中盤に下がった。すると1分後、メルテンスのクロスから最後はデブルイネが右足シュート。ミートせず得点にはならなかったが、ようやくチャンスを作った。さらに同20分には右クロスをフェライニが相手DFに競り勝ち、頭でゴールを狙ったが、またしてもチャンスを生かせず、同点に追いつけなかった。

 再度主導権を奪い返したベルギーが攻め続ける。後半36分にペナルティーエリア外からMFウィツェルが強烈な右足ミドルを放ったが相手GKに防がれて、なかなか同点に追いつけない。その後もチャンスを作りながらもシュートは枠に飛ばず、最後までゴールを奪えなかった。

 フランスはウンティティの1点を最後まで守り抜き、3大会ぶりの決勝進出を果たした。イングランドとクロアチアの勝者と2度目の優勝をかけて戦う。

 一方のベルギーは初の決勝進出を逃し、3位決定戦に回ることになった。フランスよりボールを支配して多くのチャンスを作ったが無得点。GKクルトワが何度もファインセーブを見せたが及ばなかった。