いよいよ22年ワールドカップ(W杯)カタール大会開幕まで、あと2カ月弱となった。筆者は先日、W杯の事前取材のためにドーハを訪れ、日本代表のベースキャンプ地などを訪問した。

代表の宿舎や練習場の取材以外にもカタールという国の魅力を探るべく、日本製四輪駆動車で砂漠を爆走するツアーに参加したり、ラクダに乗ったりとさまざまなアクティビティを行った(あくまで仕事です)。

W杯本番を想定してドーハ・メトロ(地下鉄)も最大限に活用し、スークワキーフ(アラビアンナイトのような世界が広がる、カタール最大のマーケット)などの観光地も訪れた。

そんな中、実際にW杯を現地観戦しようと思っている日本のファンの方々に参考にしてもらえるように、現地の日本食レストランをチェックしてみた。

基本的に筆者は旅先ではそこの国の食事を食べて、その国のお酒を飲んでいれば満足なのだが、現地の食事がまったく舌に合わないという人も少なからず存在する。そういう方のために気軽に入れる日本食レストランを探してみた。

今や日本食は全世界で大人気。当然カタールのドーハにもたくさんのレストランがある。あの「NOBU」や「MORIMOTO」といった世界的に有名なお店もある。この2店がおいしいのは当たり前なので、もっと庶民的で「カタールっぽい」日本食レストランを探した。

そこで見つけたのがドーハ市内の「シティー・センター・モール」にある「スシ・ライブラリー(Sushi Library)」。いかにも海外にある日本食(にインスパイアされた)レストランといった雰囲気、店名のお店だったが、実際に料理を食してみると、予想を裏切られた。

筆者はランチで利用したのだが「サーモン・デライト(サーモンのにぎり、巻きずし、刺し身、サラダが入ったサーモンづくしのお弁当)」は普通においしく、変わり種の「エル・タコス・スシ(タコスのシェルの中にサーモンとマグロのマリネが入ったもの)」もまったく違和感なく美味だった。海外の「なんちゃって日本食レストラン」を逆に期待していた筆者は肩透かしをくらった格好となった。

とはいえこの2品にダイエット・ペプシを注文して、しめて140カタール・リヤル(約5500円)。世界の先進国の中で、日本だけがいっこうに賃金も物価も上がらないという異常さを、海外の日本食レストランであらためて痛感することとなった。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)

エル・タコス・スシ
エル・タコス・スシ