欧州主要リーグの今冬の移籍期間が1月31日に終了した。今回の移籍市場で主役だったのはまぎれもなくプレミアリーグのチェルシーだ。マーケットにおける数々の記録を打ち立てた。

米国人実業家トッド・ボーリー氏らのグループが買収した同クラブは今冬、選手獲得に惜しみなく大金をつぎ込んだ。移籍ウインドーが閉じる直前に22年ワールドカップ(W杯)カタール大会優勝メンバーであるアルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデス(22=ポルトガル1部ベンフィカ)を獲得。移籍金はなんと1億2100万ユーロ(約168億円)にものぼった。

スポーツメディアのジ・アスレチックによるとチェルシーは移籍金を6回に分割して支払うもようで、第1回支払いは3400万ユーロ(約47億6000万円)に設定されているという。

移籍情報サイト・トランスファーマーケットによると、フェルナンデスはプレミアリーグ史上最も(移籍金が)高額な選手であり、サッカー史上最も高額なMFであり、史上最も高額なアルゼンチン人サッカー選手となった。

チェルシーは今冬、フェルナンデス以外にもウクライナ代表FWミハイロ・ムドリク(前シャフタル・ドネツク)、コートジボワール代表FWフォファナ(前モルデ)、フランス代表DFバディアシル(前モナコ)、イングランド年代別代表にも選ばれているFWマドゥエケ(前PSVアイントホーフェン)らを次々に獲得。アトレチコ・マドリードからの期限付き移籍でポルトガル代表FWジョアン・フェリックスも加入させた。

チェルシーが今季選手獲得のために使った支出額は初めて6億ユーロ(約840億円)を突破。6億2900万ユーロ(約881億円)となった。これは17-18年シーズンのバルセロナ(約532億円)をはるかに超えるサッカー史上最高額だという。

以下、1シーズン選手獲得支出額上位クラブ。

▽1位=チェルシー(881億円、22-23年)

▽2位=バルセロナ(532億円、17-18年)

▽3位=レアル・マドリード(498億円、19-20年)

▽4位=マンチェスター・シティー(445億円、17-18年)

▽5位=バルセロナ(419億円、19-20年)

▽6位=パリ・サンジェルマン(367億円、18-19年)

▽7位=チェルシー(365億円、17-18年)

▽8位=ユベントス(364億円、18-19年)

▽9位=Rマドリード(363億円、09-10年)

▽10位=Aマドリード(346億円、19-20年)

チェルシーは現在、勝ち点29でプレミアリーグ10位と低迷中。これだけの資金を投じ、チーム強化を行った成果があと数カ月のうちに出るのか。注目して見ていきたい。

【千葉修宏】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「海外サッカーよもやま話」)

ポルトガルのジョアンフェリックス(2022年11月撮影)
ポルトガルのジョアンフェリックス(2022年11月撮影)