レアル・マドリードが33度目のタイトルを獲得した今シーズン。日本人を振り返ると、エイバル乾は最終節でバルセロナ相手にカンプノウで2得点、2部ではタラゴナ鈴木が最終節で残留を決めるうれしいニュースがあった一方、テネリフェ柴崎は1部昇格プレーオフ(PO)でヘタフェとの最終戦に敗れ、涙をのんだ。

 「柴崎が移籍直後から試合に出場できる状態でなかったことが悔やまれる。たらればはあってはいけないが、彼が移籍当初から良いコンディションだったら自動昇格もあったかもしれない…」。地元メディアはヘタフェ戦後の記者室で悔やんでいた。鹿島から移籍した柴崎は体調や精神面の不調で出遅れ、デビューは同地を踏んでから47日後となった。だが、マルティ監督は力を信頼し、焦らずデビューの時期を模索し、スソ主将ら仲間は早くとけ込めるよう気にかけてくれた。もちろん、サポーターも。テネリフェの人々から愛情と信頼を得た柴崎は少しずつコンディションを取り戻した。

 シーズン終盤には中心選手として評価され、PO4試合では1得点2アシストと、チームの全3得点に絡んだ。クラブと柴崎サイドは1部昇格なら契約を自動延長することを6月に再確認したが、全ては白紙だ。テネリフェは残留を望んでいるが、POのパフォーマンスから柴崎に興味を示すクラブがあると想定し、交渉は容易ではないと腹をくくっている。今夏、移籍市場での動向は、日本だけでなく、スペインでも注目されている。