国際サッカー連盟(FIFA)の16-17年シーズンの表彰式が23日、ロンドンで行われ、男子最優秀選手賞にレアル・マドリード(スペイン)を史上初となる欧州チャンピオンズリーグ(CL)連覇に導いたポルトガル代表FWクリスティアノ・ロナルド(32)が選出された。前回に続く5度目の受賞で、FWメッシ(バルセロナ)に並ぶ史上最多タイ。男子最優秀監督もRマドリードのジダン監督が初受賞となった。

 アルゼンチンの英雄マラドーナ氏から名前を読み上げられると、ロナルドは息子のジュニアくん、ガールフレンドとキスを交わし、笑顔で壇上に上がった。「歴史的で、サッカー人生で最も美しい瞬間だ」と、メッシに並ぶ史上最多タイ5度目の受賞をかみしめた。

 昨季は欧州CLでは史上初の連覇を成し遂げ、12得点を挙げて5季連続の得点王を獲得。国内リーグでは5季ぶりの優勝と、文句の付けようのない結果を出した。各代表の監督や選手による投票で43・16%の支持を獲得。最終候補に残った2位メッシは19・25%、3位のFWネイマール(パリサンジェルマン)は6・97%。2人を寄せ付けない受賞となった。

 08年にマンチェスターU所属時代での初受賞から10季、メッシと2人だけで賞を独占した。ライバル関係で不仲と言われているが、受賞後は笑顔で握手を交わした。「レオ(メッシの愛称)と争っているわけではない。同じ時代に生まれただけ。彼と自分は世界最優秀選手を5度受賞している」と実感がこもった。

 ともに5度の受賞。32歳となったエースは「この賞は、7度は取りたいね。ラッキーナンバーだから」と自身の背番号と同じ数の受賞を目標に掲げた。メッシも今年で30歳。ともにベテランの域に突入しているが「まだ終わっていないよ。始まったばかりさ」。2人の時代は続きそうだ。

 ◆クリスティアノ・ロナルド 1985年2月5日、ポルトガルのマデイラ島生まれ。スポルティング(ポルトガル)でプロデビュー。03年からマンチェスターU(イングランド)に移籍。09年夏に当時世界最高額の移籍金9350万ユーロ(約122億円)でRマドリード(スペイン)に加入。ポルトガル代表では16年に欧州選手権を制した。187センチ、84キロ。

 ◆FIFA最優秀選手 各国代表の監督や選手、記者、ファンの投票によって選出される。91~09年までFIFA単独での賞だったが、10年からフランスのサッカー専門誌フランス・フットボールが創設した欧州でプレーする年間最優秀選手賞「バロンドール」と統合されFIFAバロンドールに。16年から提携解除によりFIFAとバロンドールが再度、分離した。