ブラジルはチチ監督就任後、事情がない限りほぼ固定したメンバーで戦ってきた。2月には23人のW杯(ワールドカップ)メンバーのうち15人を発表。選ばれた選手には安心感と責任感を、漏れた選手には競争意識を与えた。元日本代表監督でもあるジーコ氏も「チチは常に観察を怠らないので、選抜は信用できる。いいスタッフもそろっている。今までの選択も的確だった」と、現地メディアに語っている。「まだ悩んでいる点は多少あると思うが、チームの完成度は90%」(ウリセス記者)。

 3月23日のロシア戦ではネイマールの代わりに入ったビリアンが2得点に絡んだ。同27日のドイツ戦でも決勝点をアシストした。一方で現在のチームは攻撃だけでなく、守備も強い。チチ監督就任後、19戦(15勝3分け1敗)のうち14戦で無失点。ドイツのレーウ監督も「チームとして守ろうとしている。前線からの守備を要求している」とブラジルの向上を感じ取っていた。