3大会連続13度目の優勝を狙うレアル・マドリードが2-2でバイエルン・ミュンヘンと引き分け、2試合合計4-3で26日の決勝(キエフ)に勝ち上がった。前半3分に失点も、ベンゼマが2得点を挙げ、GKナバスが好セーブを連発した。3大会連続の決勝進出は95-96年に優勝し、続く2大会で準優勝だったユベントス以来。Bミュンヘンは第1戦に続きミスから失点した上、好機を生かし切れなかった。

 Rマドリードは苦しみながらも、しぶとく勝ち上がった。後半18分に2-2と追いつかれ、さらに失点すればアウェーゴールの差で敗退する状況に。1つのミスも許されない緊張感の中でGKナバスが至近距離のシュートをはじき、DFセルヒオラモスは体を張り続けた。最後のプレーも、ゴール前に相手FWミュラーが飛び込みながら球に合わせられず、命拾いした。

 セルヒオラモスは「このクラブのDNAが最後まで選手を戦わせた」と誇らしげだが、ナバスの「神に感謝しないと」、ジダン監督の「心臓に悪かった」という言葉も本音だろう。シュート数は9対20、うち枠内は3対8、CKは6対11、ボール保有率は44%と下回っていた。

 後半1分の2点目が幸運だった。バックパスに相手GKが対応を誤ってゴールががら空きになり、ベンゼマが難なく押し込んだ。3月31日のリーグ戦を最後に得点から遠ざかっていたベンゼマが、この大事な試合で2得点。前半3分に失点し、相手を勢いづかせてしまった中、マルセロのクロスに頭を合わせた前半11分のゴールも大きかった。

 クラブの公式サイトによると、レアルはこれで欧州CL通算250試合で現行大会になって最多、通算150勝も最多という。3連覇となれば現行では初、前身大会では70-71年からのアヤックス(オランダ)、続く73-74年からのBミュンヘン以来の偉業となる。ジダン監督は「我々は今、歴史を刻んでいる」と言葉に力を込めていた。(山本孔一通信員)