ドメニコ・テデスコ監督(33)がシャルケを去る日が近づいてきた。3日付の独紙ビルトが「解任間近」と報じた。2日に行われたデュッセルドルフ戦で0-4と大敗し、14位と低迷している。

シャルケは昨シーズン2位と躍進を遂げた。若手ながら人心掌握と戦術理解の高いテデスコ監督のもと、全選手が全力で戦うサッカーで粘り強く勝ち続けることができた。ところが今シーズンは散々だ。欧州CLこそ決勝トーナメント進出を決めたが、ブンデスリーガでは序盤から取りこぼしが多く、内容も乏しい試合が続いてる。

前節マインツ戦後には不振の責任を取ってスポーツディレクターのクリスティアン・ハイデルが辞任を表明した。元シュツットガルトのヨハン・シュナイダーが就任予定だが、やらなければならない仕事ばかりだ。デュッセルドルフ戦後は観客席のファンも我慢の限界を超えたようだ。テデスコはゴール裏のファンの元に足を運び謝罪したが、観客席からは大ブーイング。「もう十分だ!」と怒りの声がとびかっていたという。さらにグラウンドに降り立った2人のファンが、この日、主将を務めていたスタンボリからキャプテンマークを剥奪。スタンボリは「理解できる。僕ら選手は小さく、クラブが大きい」と語ったと報じた。

テデスコ監督は試合後の記者会見で「ファンに謝罪をした。我々ができる最低限のことだった。とても攻撃的で、とても怒っていた。理解できる」と振り返り、試合内容に関しては「動きがなく、勇気がなく、何もなかった。先週の練習では選手の動きは生き生きしていたのに、試合になったら死んでしまっていた。間違いなく今残留争いにいる。自分たちのメンタルが問われている」と語っていた。

5日にも新スポーツディレクター就任が発表される。最初の仕事が監督解任となるかもしれない。代表取締役のクレメンス・テンニス氏は「火曜日に新しいスポーツディレクターが何か言葉にするだろう。今、私が監督をどうするということをはじめはしない」と話していたという。いずれにしてもこのままでは上昇のきっかけをつかむこともできない。

(中野吉之伴通信員)