バルセロナは2日、ブラジル人FWマウコム(22)のゼニト(ロシア)移籍を正式発表した。

移籍金は4000万ユーロ(約50億円)で、出来高による500万ユーロ(約6億2500万円)が追加される契約条件になっている。

マウコムは昨シーズン、バルセロナで24試合に出場して4得点を記録。在籍はわずか1年だったが、クラブは投資額を回収しているため、このオペレーションは悪いものになっていないとしているようだ。

また、スペイン紙マルカによると、バルセロナに入団してわずか1年でクラブを去った選手は近年、マウコムだけではない。最近ではブラジル人選手のMFパウリーニョ。バルセロナは批判を受けながらも2017年夏に中国の広州恒大に4000万ユーロ(約50億円)の移籍金を支払い4年契約で獲得。49試合に出場し9ゴールをマークした後、わずか1年で再び古巣へ帰ったが、クラブは最終的に4200万ユーロ(約52億5000万円)で売却したために収支はプラスとなっていると報じた。

おそらく、バルセロナ史上でも最も印象に残る失敗に終わった短命選手の1人は、ウクライナ代表DFチグリンスキーだろう。2009年夏、当時グアルディオラ監督のチームにシャフタル・ドネツク(ウクライナ)から2500万ユーロ(約31億3000万円)の移籍金で入団するも、わずか14試合の出場にとどまった。1年後に入団時より1000万ユーロ(約12億5000万円円)安い1500万ユーロ(約18億8000万円)で古巣に戻っている。

また、バルセロナはスウェーデン代表FWイブラヒモビッチのオペレーションでも大金を失っている。2009年夏に入団したが、特に当時のクラブ史上最高額の移籍金でインテルミラノから加入したことが話題となった。この契約には移籍金4500万ユーロ(約56億3000万円円)の他、当時エースとして活躍していたFWエトーを完全移籍で放出。さらにMFフレブの期限付き移籍が含まれており、合計金額は6600万ユーロ(約82億5000万円)と見積もられていた。

イブラヒモビッチはバルセロナで45試合に出場し21ゴールを決めるも、グアルディオラ監督との関係悪化により、わずか1年での退団を余儀なくされている。最終的にACミランに1年間の期限付き移籍を経た後、2400万ユーロ(約30億円)で完全移籍したため、バルセロナは大損したのである。

その他では、近年ではウルグアイ代表DFカセレスが2008年夏に入団するも、1年間プレーしただけで、ユベントス、セビージャへの期限付き移籍の末に退団している。(高橋智行通信員)