ビリャレアルが日本代表MF久保建英(19)への関心を強めていることが、久保同様にレアル・マドリードと契約を結んでいるスペイン人MFオスカル・ロドリゲス(22)の移籍をストップしていると、スペイン紙アス電子版が4日に報じている。オスカルはこれまでビリャレアル移籍の有力候補になっていた。

同紙によると、久保の来季の期限付き移籍先はビリャレアル、グラナダ、セルタ、オサスナの4クラブに絞られており、特にビリャレアルが最有力候補に挙がっているとのこと。

しかしRマドリードが久保の期限付き移籍のコストとして、手数料200万ユーロ~300万ユーロ(約2億4000万円~3億6000万円)と年俸を合わせ、500万ユーロ(約6億円)以上を見積もっていることにより、ビリャレアルはこのオペレーションを再検討する必要があるという。またバイエルン・ミュンヘンが久保の期限付き移籍に向けた高額オファーを出したことにより、この金額が値上がる可能性も出ている。

ビリャレアルが再検討する理由として、オスカルの獲得費用が久保とほぼ同じ500万ユーロ~600万ユーロ(約6億円~7億2000万円)であることが挙げられている。久保が来季1シーズンのみの選手であるのに対し、オスカルはクラブの現在および将来を見据えた補強となるため、ビリャレアルは久保の期限付き移籍とオスカルの所有権獲得のどちらかの選択を迫られている。

オスカルは今季、2部に降格したレガネスに所属しながらも、スペイン1部リーグで30試合に出場し、9得点2アシストを記録してチーム得点王となり、個人として素晴らしい成績を残している。また久保同様にクラブとウナイ・エメリ監督の両方に好まれている選手である。

一方、久保の特徴を大いに引き出すことができるビリャレアルのプレースタイルは、久保の期限付き移籍を成立させる長所のひとつになっている。それに加え、エメリ監督の久保への対応の仕方、クラブの家庭的な雰囲気、多くの若手選手が所属していることも久保にとって大きな魅力となる。ビリャレアルは価値の高い若手選手を抱えることに非常に慣れているチームであることが、久保のチームへのフィットを容易にすると同紙は推測している。

ビリャレアルがひとつの大きな選択を迫られる一方、久保が今週中に、来季の去就について何らかの決断を下す予定だとアス紙は伝えている。

(高橋智行通信員)