【ヘタフェ(スペイン)16日=高橋智行通信員】ヘタフェの日本代表MF久保建英(19)が待望の今季リーグ戦での初ゴールで、チームの1部残留を確定させた。ホームでのレバンテ戦に途中出場し、1-1の後半39分に左足で弾丸ミドルシュートをたたき込んだ。このまま2-1で勝ち、最終節を残し1部残留が決定。今季はシーズン途中の移籍もあり、出番も減って苦しい時間を長く過ごしてきた久保が、残留弾で、一夜にしてチームを救った「英雄」になった。

苦しいシーズンを過ごしてきた久保が、得意の左足でチームを救った。1-1の後半39分。相手陣内でパスをカットし、そのままドリブルで前進。わずかに左に開いて角度をつけ、迷わず放ったミドルシュートが決勝点となった。「ウオーミングアップしている時に(残留を争う)エルチェが勝っているというニュースが入った。同点では(試合の)価値がなくなった。ゴールを決めにいく必要があると言われた」。指揮官の起用に見事に応えた。

1月にヘタフェに移籍した。デビュー戦で実力の片りんを示したが、守備的な戦術を採用し、残留争いするチームで出場時間が減っていた。そんな状況下で5試合連続のベンチスタートだったが、強烈すぎる残留弾。3連敗中のチームを救い、一夜にしてヒーローになった。「試合に出場していない時も全力で練習に取り組んでいたし、監督もそのことを分かってくれている。チームに貢献できてうれしい。(これで)状況が変わり、昨季かそれ以上のリズムでプレーできることを願っている」。残りは1試合しかないが、興奮気味に話した。

コロナ禍で無観客だったが、スタジアムに入るチームバスを100人以上のサポーターが迎えた。今季リーグ戦の初ゴールが、チームを残留させる1点。“持ってる”19歳は「本当に価値あること」と、珍しく自賛した。

 

【スペイン紙「英雄」と高く評価】

○…久保を、スペイン紙アスは「英雄」と高く評価した。この試合に出場した両チームの31人で唯一となる最高の3点という評価。「1年を通じて姿を消していたが、チームを2部降格から救うヒーローになった。素晴らしい個人プレーを披露し、ヘタフェに勝利をもたらした」と大絶賛した。

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