バルセロナのジョアン・ラポルタ会長(59)が16日、記者会見を開き、スペインリーグの規定とクラブの財政面の問題によりアルゼンチン代表FWメッシと再契約できなかったことについて「悲しいが必要なことだった」と話した。スペイン紙スポルト電子版が伝えた。

ラポルタ会長は「我々は正しい決断をしたと確信している。メッシの件は悲しいが必要なことだった。なぜならクラブが何よりも優先されるからね。(再契約したら)我々は全てを危険に晒すことになっただろう」と説明。メッシとクラブとの関係が終わりを告げたことについて「非常に長く続いた関係であり、このクラブが経験した最も美しいラブストーリーのひとつだったと思う。最終的に悪化してしまったけどね」と振り返った。

ラポルタ会長はメッシのパリ・サンジェルマン入団発表イベントも見たそうで「彼の成功を祈っている。幸せそうに見えたよ。複雑な心境だが彼の幸せを願っている。パリ・サンジェルマンのような直接のライバルクラブに行ってしまうのはうれしいことではないけどね」と話した。

同会長はメッシのバルセロナでの晩年について「期待されたような目標が達成されていなかった」と感想を述べ、「我々は彼にバルサでキャリアを終えて欲しいと思っていたが、実現することができなかった」と残念がった。

メッシとは再契約で合意していたが、スペインリーグが定めるサラリーキャップ(チーム年俸総額)を下回ることができず、破談となった。ラポルタ会長は「我々は彼に残って欲しいと思っていたが、クラブの状況を見て、クラブの利益を優先すべきだと考えた。経営面が厳しく、あの契約を実現するためにはクラブを抵当に入れる必要があったため、あのような結論に至った。もしスペインリーグにもっと柔軟性があれば、我々とメッシの双方に前向きな意志があったので、我々は再契約を検討したかもしれない」とリーグへの不満を漏らした。(高橋智行通信員)