ラルフ・ラングニック暫定監督(63)が就任したマンチェスター・ユナイテッドの何がスールシャール前監督時代から変わったのか。英インディペンデント紙電子版が24日、3つの数字を使って説明した。

▽PPDA=7.8 同紙がまず挙げたのは「PPDA(passes per defensive action)」という数字。これはチームが守備に回った際、ボールを取り戻すまでに相手に何本のパスをつなぐことを許したかを示すもの。スールシャール前監督時代は13.4だったが、ラングニック暫定監督就任後のプレミアリーグ2試合で7.8とほぼ半減したという。

ラングニック暫定監督の代名詞といえば「ゲーゲンプレス(相手にボールを奪われた瞬間にプレスをかけてボールを奪い返し、攻撃に転じる戦術)」。PPDA7・8という数字は、いかに相手のポゼッション時にプレスをかけて素早くボールを奪い返すことに成功しているかを示す数字だ。

▽field tilt=49% 「field tilt」とは、自分たちがファイナルサード(ピッチを3分割し、一番敵ゴールに近い3分の1)で通したパスを、両チームのファイナルサードでのパス総数で割ったもの。これはどちらが相手陣内でより多くプレーしているかを示すものだ。

ラングニック暫定監督は「フットボールとは、いかに偶然の要素を少なくして、試合をコントロールできるかだ」と話している。ただボールをキープするだけでなく、常に敵陣でプレーするような試合展開になれば、より試合をコントロールできる。

インディペンデント紙によると、マンチェスターUはラングニック暫定監督就任初戦の5日クリスタルパレス戦ではファイナルサードで72%のパスを成功させた。だが選手を大幅に入れ替えた8日の欧州チャンピオンズリーグ(CL)1次リーグ・ヤングボーイズ戦、11日ノリッジ戦ではなかなかファイナルサードでパスを通すことができず、結果的に公式戦3試合でfield tiltは49%となったという。ここはまだまだ改善の余地があるといえる。

▽xGa=1.0 ラングニック暫定監督はクリーンシート(無失点)で試合を終わらせることも重要視している。ここまで公式戦3試合で失点は、1-1で引き分けたヤングボーイズ戦での1点だけだ。

ただ3試合での「xGa(チームが失うと予想されるゴール数。打たれたシュートの質と量に基づく)」は1.0と依然として高い。それでもマンチェスターUは今季プレミアリーグ全試合ではxGa1.6を記録しており、これはリーグで5番目に悪い数字。ラングニック暫定監督就任後には改善してきている。

同暫定監督は「我々のメンバーで考えると、得点はいつでも取れる。まったく心配していない。どれだけクリーンシートで終われるかが重要だ」と話している。素早いプレスでボールを奪い、相手を敵陣に押し込んで試合を進め、失点を少なくする。就任後の公式戦3試合で、今後のチームの方向性がだんだん見えてきたと言える。