I組の川崎FがJ1王者らしい貫禄をみせ、初勝利をつかんだ。1次リーグ第2節・広州FC(中国)に、ACLのクラブ最多に並ぶ大量8点を挙げて圧倒。FW知念慶(27)小林悠(34)の2得点、MFチャナティップ(28)の移籍後初得点などで勝ち点を4とした。第1節からフィールドプレーヤー10人を入れ替え、大卒ルーキーMF松井蓮之(22)や17歳DF高井幸大らがプロデビューするなど、新戦力もピッチに立った。

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【ACL】1次リーグ 川崎F8発ゴールラッシュ初勝利/ライブ速報>>

豪快な得点ラッシュの号砲は、FW知念が鳴らした。前半7分。MF脇坂の左CKに、頭で押し込んだ。幸先よく先制点をマークすると、同12分にも追加点。FW小林も負けじと2得点をマークした。パリ五輪世代の20歳FW宮城も1得点。「勝つことが絶対条件の中で結果を得ることができた」と存在感を示した。

前半だけで5点のリード。後半も攻撃の手を緩めなかった。6-0の後半24分には、MFチャナティップが敵陣中央からドリブルで、ペナルティーエリア中央へ進入。右足で強烈なシュートをゴール左へ突き刺した。札幌から完全移籍で加入した「タイのメッシ」が、アジアの舞台で移籍後初得点。鬼木達監督は「いろんな信頼というものを自分にもチームメートにも与える結果を出したと思います」とうなずいた。

J1王者の看板を支える先輩たちの陰で、3人がプロデビューを飾った。第1節からフィールドプレーヤー10人を入れ替えた布陣。先発メンバーには、法大から加入のMF松井が名を連ねた。本職はボランチながら、左SBでデビュー。さらに、下部組織出身の19歳FW五十嵐、2月にプロ契約を結んだ身長192センチの17歳DF高井も、後半途中からピッチに立った。鬼木監督は「自信を持って送り出すことができました。また選手たちも、期待に応えてくれました」と手応えを口にした。

広州FCは、新型コロナウイルスの影響もあり、ユース選手主体の構成。背番号は、全てが「40」番以上。そんな相手に新旧戦力が、アピールに奮闘した。初戦の蔚山戦はドロー発進となったが、大量得点での今大会初勝利。鬼木監督は「選手の戦う姿勢をすごく評価しています」。選手層の厚いクラブは、アジアの戦いの中で結果を出しながら、成長を続ける。【栗田尚樹】

◆川崎Fの大量得点 昨年のACL1次リーグ第3戦・ユナイテッド・シティ(フィリピン)でも8-0と快勝した。同大会の1次リーグ第2戦・北京国安(中国)では、7-0で圧勝。リーグ戦では、1試合最多得点は7点。過去に4度の7得点を記録した。