優勝候補の一角イングランドは0-1でハンガリーに敗れ、黒星発進となった。

試合開始直前、信じられないような出来事が起きた。イングランド代表の選手たちがピッチに片膝をつき、「ブラック・ライブズ・マター(BLM=アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけに米国で始まった人種差別抗議運動)」への賛同を示した時だった。

アウェーのプスカシュ・アリーナのスタンドからブーイングが巻き起こったのだ。

この日の一戦は無観客で行われる予定だった。ハンガリーのファンが昨年の欧州選手権1次リーグの試合で反同性愛的、人種差別的なチャントを歌った。そのため欧州サッカー連盟(UEFA)がこの日の試合を無観客で行うように処分を下した。

だがUEFAの処分には例外があり、14歳までの子供がスタジアムに招待されていた。ESPN電子版によると、子供10人に対して大人1人が付き添い、約3万5000人がスタジアムの中にいたという。

そんな状況のスタンドからBLMに対するブーイングが出たことは、看過できない事態といえる。

イングランドのサウスゲート監督は「我々がスタジアムに着いた時、子供たちは手を振ったりしてとてもフレンドリーだったのに。いまだに我々のスタジアムでもブーイングを聞くことがある。だからこそ膝つきを継続しているし、チームとしてやり続けないといけない」と啓発の必要性に言及していた。