【バルセロナ=高橋智行通信員】レアル・ソシエダードの久保建英(21)が古巣バルセロナとの準々決勝に先発出場し、敵地カンプ・ノウでクロスバー直撃の惜しいシュートを放つなど存在感を見せつけた。クラブ史上最多の公式戦9連勝中のチームだったが、0-1と敗れ、4強入りはならなかった。

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大腿四頭筋の違和感により、先週末のラヨ・バリェカノ戦で出番のなかった久保は公式戦3試合ぶりに先発出場。中盤ダイヤモンド型の4-4-2のトップ下でプレーした。

チームが序盤から押し込まれたため、守備に追われる時間が長くなり、時折カウンターを試みるも、バルセロナのハイプレスの前にチャンスを作れず、ボールをキープした時は相手の厳しいチャージを受けていた。

そんな中、30分にマリンのパスを受け、ペナルティーエリア左45度の位置から左足の強烈なシュートを放ったが、惜しくもクロスバーをたたいた。その後、40分にブライス・メンデスが退場になったため、右サイドハーフにポジションを移した。

アルグアシル監督がハーフタイムに2人を代えたことで、久保は後半開始後、左サイドハーフにポジションチェンジした。数的不利でバルセロナにボールを長くキープされた厳しい状況の中、14分にドリブルでカウンターを仕掛けてペドリのイエローカードを誘発し、その直後に左サイドからグラウンダーのピンポイントクロス入れるも、ゴール前で合わせたセルロートが決定的チャンスを失敗した。

久保はバルセロナに終始主導権を握られた中、チームで特にチャンスを作り存在感を示した選手の1人となったが、劣勢の状況を変えることはできず、33分にナバーロとの交代でピッチを去った。

試合は後半7分、バルセロナFWデンベレがDFラインの裏にうまく抜け出し、スピードに乗ったドリブルでゴールに迫り、強烈な右足のシュートでGKレミーロの手をはじき、ゴールした。これが決勝点となった。