バルセロナの下部組織でプレーする久保建英(くぼ・たけふさ=13)が、18歳になるまで公式戦に出場できない可能性があると、21日付ムンド・デポルティボ紙が報じた。

 国際サッカー連盟(FIFA)は今年4月、バルセロナに18歳未満の外国人選手獲得、登録に違反があったとして、今後2度の移籍市場からの締め出しを決定。バルサ側からの異議申し立ても却下し、処分を確定させた。同紙によると、違反によって獲得したとされる10人のうちの1人が久保で、FIFAは18歳になるまでは公式戦の出場を認めないという。

 久保は10年にバルセロナスクール選抜の一員としてベルギーの大会でMVPを獲得。11年8月に同クラブ下部組織の入団テストに合格した。だが、FIFAは基本的に未成年者の国際移籍を禁止している。

 例外は(1)両親がサッカー以外の理由で移住した場合(2)16歳以上18歳未満でEU圏内、欧州経済領域(EEA)圏内での移籍(3)自宅が移籍先の国境から50キロ以内にあり、移籍先のクラブも国境から50キロ以内にある場合。FIFAは久保を(1)の該当者だと認めず、スペインでプレーするためだけに親が移住したと判断したもよう。ムンド・デポルティボ紙は「今一番心配されるのは日本人のタケ(久保)、米国人のレダーマン、カメルーン人のソーシア。FIFAの新たなノーという裁定により、彼らのキャリアは苦しいものになるだろう」と記している。

 ただ、バルサ側は今回の問題についてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する意向。FIFAの裁定が覆る可能性も残されている。現在スペインではRマドリードの下部組織で中井卓大(11)もプレーしており、今後のCASの判断が注目される。