ベルギーは開催国の米国に4-1で快勝した。前半にFWデケテラーレ(25=アタランタ)が2得点を挙げた。2大会ぶりの準々決勝進出で、10日(日本時間11日)にスペインと対戦する。米国は決勝トーナメント1回戦で退場処分を受けながら、国際サッカー連盟(FIFA)に出場停止処分を1年間猶予されたFWバログン(25=モナコ)が出場したが、2大会続けてベスト16で敗退し、開催3カ国は全て姿を消した。
◇ ◇ ◇
開催国の米国は攻撃が機能せず、ミスから失点を重ねた。ポチェッティーノ監督は「試合の流れをつかめなかった。普段通りの力を発揮できなかった。言い訳をするつもりはなく、これが現実だ」と振り返った。
出場停止処分が猶予されたことで先発出場したFWバログンは不発。0-1の前半30分過ぎに粘り強いポストプレーで倒されてFKを獲得し、それをMFティルマンが直接決めて追い付いたが、その2分後に勝ち越された。
FIFAのインファンティノ会長が観戦に訪れた中、一連の騒動の中心となったバログンは「個人的には決定を受け入れただけ。この感情を言葉で表現するのは難しい」とコメント。今大会は3ゴールを決めたが「今日は観客を沸かせるようなプレーがほとんどできなかった。それが一番残念でつらい」と語った。
アルゼンチン人指揮官は騒動の影響を否定しながらも「私たちは試合に全く集中できなかった」。勝ち越し点を許したときにはベンチのそばにあった飲水ボトルを蹴り上げた。冷静さを欠いた米国は、共催したカナダ、メキシコとともにベスト16で姿を消した。
「赤い悪魔」が意地と誇りを見せつけた。米国に4-1で快勝し、ガルシア監督は「ベルギーが偉大なサッカー大国であることを証明した」と言った。GKでW杯史上3人目となる通算20試合出場を達成した守護神クルトワは「チームとしてあらゆる可能性に備えていた」とし、「(0-2から3-2と逆転勝ちした決勝トーナメント1回戦の)セネガル戦よりも今日の米国戦の方が勝てるという確信があった」と言い切った。
出場停止となるはずだった米国のFWバログンの処分が、1年間猶予となったことが試合前日に明らかになった。ベルギー側は強く反発したが、クルトワは「選手は何も変わらない。勝つことに集中する」と、地元米国のサポーターからの激しいブーイングにも自然体を貫いた。
チームは統率を保ち、序盤にFWデケテラーレが先制。一度は追いつかれたものの、直後に再びデケテラーレのゴールで勝ち越した。終盤にバログンにシュートを打たれたが、クルトワがキャッチ。「終盤のバログンのシュートを除けば、相手にほとんどチャンスを与えたなかった。素晴らしい試合ができた」と誇った。
試合終了後にはバログンがガルシア監督に近づき、あいさつ。「話しかけに来てくれてうれしかった。君のせいじゃない、責められるべきは君じゃない、と伝えた」。異例の「政治介入」はあったが、ピッチ内に遺恨は残らなかった。
◆バログンの出場停止処分猶予を巡る経過
▽7月1日 決勝トーナメント1回戦のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でバログンがレッドカードを受け、同2回戦のベルギー戦は出場停止になる。
▽同5日 FIFAが出場停止処分の1年間猶予を発表。トランプ米大統領が「FIFAに感謝する」とSNSに投稿。
▽同6日 ベルギー協会が「決定に非常に驚いている」と声明を発表。
▽同6日 トランプ大統領がFIFAのインファンティノ会長に出場停止処分の見直しを求めたことを明らかにする。バログンが退場になった場面を見たとし「ひどい判定」と審判批判。
▽同6日 欧州連盟(UEFA)が「一線を越えた」と批判する声明を発表。
▽同6日 インファンティノ会長がトランプ大統領からの電話を認めた上で「FIFAの独立した司法機関、規律委員会の決定を尊重する。(猶予の決定に)私たちは無関係」と強調。
▽同6日 FIFA規律委員会が「全ての具体的な状況と、入手可能な証拠を考慮して決められた」と声明を出したが、決定に至った具体的な根拠への言及はなし。


