フィギュアスケートフィギュア

八木沼純子
◆八木沼純子(やぎぬま・じゅんこ)1973年(昭和48年)4月1日、東京都生まれ。5歳からスケート教室に入り、88年に世界ジュニア選手権2位。五輪は88年カルガリー大会に出場、女子シングル14位。95年にアマチュアを引退し、プロに転向した。早大卒。
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真央、強い思いが空回り

<ソチ五輪:フィギュアスケート>◇19日◇女子ショートプログラム(SP)

 浅田真央が、55・51点の低得点で16位に沈んだ。今季、グランプリシリーズ(GP)3戦全勝で、細かなミスがあったものの、今五輪の団体戦を除き、常に70点以上をマークしていたショートプログラム。約16点も低い得点は、何が原因だったのか。カルガリー五輪代表八木沼純子さんが分析した。

 これが五輪独特の空気というものでしょうか。大舞台に強い浅田選手でさえ、体が硬くなり、ミスが出てしまう。あそこまで崩れる浅田選手を見たことがあまりないだけに、驚いたことも事実です。バンクーバーで銀。今度こそ金を取りたいという強い思いが空回りしてしまったのでしょうか。今回の五輪は恐怖心との闘いなのかもしれません。

 最初の3回転半は、いつもより少し高さが足りなかったように見えました。あの高さに合わせるなら、体の軸を絞り、さらに回転のスピードを上げる必要があります。確実に回転し着氷する準備が出来なかったことで、巻き付いている左足を軸から引き抜く際に、右足にぶつかってしまった。これで転倒につながってしまったように思います。

 浅田選手は、どうしても成功させたいと大事に跳ぼうとしていたように見えます。助走のスピードが少し遅くなり、高さに影響が出たのかもしれません。回転不足のため、8・50点の基礎点が0・7倍の6点。出来栄え点でも減点され、通常より5点以上少ない得点となりました。

 続く3回転フリップは、今季、回転不足を取られたことはありません。しかし、団体戦から感じていたことですが、今五輪の採点は非常に厳密な傾向にあります。きれいに着氷したように見えましたが、これも回転不足で5・30の基礎点が3・70点。出来栄え点の減点で、2点以上、引かれてしまいました。

 回転不足になったとはいえ、3回転フリップを着氷したことで、リズムを取り戻したかのように見えました。それだけに、連続ジャンプは、まさかの失敗でした。助走のスピードがなく、最後のジャンプだけに、絶対にミスできないという気持ちが、助走に表れてしまったようでした。連続が、最初のジャンプの単発だけになり、それも3回転が2回転に。ここでも7点ほど少ない得点です。

 この3つのジャンプだけで、少なく見ても通常より約16点の減点です。技術点合計22・63点は30人中27番目の得点。しかし、5項目の演技構成点は33・88点で上から4番目の得点。ジャンプが失敗しても、スケーティングの技術や振り付けなどの部分は、非常に評価が高い。それだけに、浅田選手の持っている力を出せば、この16点分が上積みされ、十分に70点を超える演技だったと思います。いつも通りにさせてくれないのがオリンピックなのでしょう。(カルガリー五輪代表)




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