ジャカルタ・アジア大会が2日、閉会した。日本は金メダル75個、メダル総数205個を獲得した。金メダル数は、66年バンコク大会の78個に次ぐ数字となった。競泳女子の池江璃花子(18=ルネサンス)は、日本勢最多の6冠に輝いて、大会最優秀選手賞(MVP)を獲得。日本勢のMVPは2大会連続4人目となった。閉会式では日の丸を掲げて“旗手”で入場した。

池江が、日の丸を掲げて入場した。16日間の大会を終えた閉会式。開会式で旗手を務めた女子ソフトボールの上野由岐子に代わり、日本選手団の顔として堂々と先頭を歩いた。

“旗手”の前には、MVPを受賞した。海外メディアを前に「Thank you so much.I am so happy」とあいさつ。「すてきな賞がとれて、心の底からよかったと思った」と喜んだ。

4月からMVPを目標としたが、大会中に賞自体を制定しない方針が示された。池江は6冠達成時に「MVPはとれなくて残念ですが…」と話して、25日に帰国。オフを利用して大好きなディズニーランドに行く途中に賞の復活を知った。「びっくりして。電車の中でにやけてました。でも『ちょっと待てよ、自分じゃないかも』とそわそわした」。東京から約8時間の機内で半信半疑だったが「(候補で呼ばれて)うれしかった」。滞在わずか24時間の「弾丸旅行」をいとわずこの日朝、現地入りした。

女子初の受賞。山下団長は「今回の大会で1番の顔になった」とたたえた。競泳ニッポンで受賞した北島、萩野は2年後のオリンピックで金メダル。「金パターン」といえるが、池江は「MVPをとったのは事実ですが、世界大会でメダルがとれてないので頑張りたい」。賞金5万ドル(約550万円)を貯金に回すように、足元を見つめた。【益田一弘】