男子は6年ぶり7度目出場の浜松日体(静岡)が、2時間5分22秒で6位入賞を果たした。5区の松島彰吾主将(3年)が、区間4位の快走で5人を抜き8位に浮上。最終7区で鈴木尚輝(3年)が区間2位の走りでさらに2人を抜いた。県勢男子の入賞は、2015年の加藤学園(8位)以来2年ぶり。

 浜松日体の苦労人コンビが、同校史上最高の6位入賞に導いた。両手を広げてゴールに飛び込んだアンカー鈴木尚は、仲間たちの出迎えを受けて、笑顔がはじけた。「絶対にいけると、自分を信じ、仲間を信じて走りました。思うようにいかない時もありましたが、入賞に貢献することができて良かったです」。

 鈴木尚は1、2年時からケガに苦しみ、県大会でメンバー入りできなかった。3年になっても、夏の全国総体前にかかとを負傷。県大会前には右臀部(でんぶ)を痛め、直前で出場登録を外れた。今大会もメンバー入りできるか不安はあったが、大舞台で存在感を見せつけた。

 松島も笑顔で言った。「スピードには自信がありました。絶対に入賞圏内でタスキを渡すんだと思って走りました」。松島も1年時はケガに苦しんだ。2年時もその影響で伸び悩んだが、3年になって徐々に自信をつけたという。一方で、主将としてチームをまとめきれず、夏合宿中に北条尚監督から「キャプテンらしい言葉と走りを見せろ」と叱咤(しった)されたことを明かした。「チームに迷惑をかけてしまっていました。自分が変わるきっかけになりました」。

 鈴木尚と松島は、同じ北浜中時代に全国中学駅伝で4位を経験している。鈴木尚が「全国の舞台で一緒に走れて、うれしかったです」と言えば、松島は「この3年間、2人で積み上げてきたものを見せてやろうと思っていました」。高校最後のレースで、すべての苦労が報われた。【鈴木正章】