全日本実業団対抗女子駅伝は25日、宮城県松島町文化観光交流館前~仙台市陸上競技場の6区間(42・195キロ)で行われる。

前々回優勝のJP日本郵政グループはエースの鈴木亜由子(27)、5000メートルで2年連続日本代表の鍋島莉奈(24)、名古屋ウィメンズマラソン日本人トップの関根花観(22)の強力トリオを擁しV奪回に意欲を見せている。

過去2大会を振り返るといずれもエースの鈴木が万全な状況ではなかった。2年前は、リオ五輪5000メートルに出場した鈴木が故障明けで駅伝への準備ができておらず短い2区(3・9キロ)に回らざるをえなかった。だが鈴木に続く存在の関根、鍋島の踏ん張りを見せて初優勝を成し遂げた。前回大会は本来は3区、5区といった長い距離の区間に置きたい鈴木が故障明けだったため1区に配置するオーダーで3位に甘んじた。鈴木は「今年はエース区間でしっかり役割を果たして、チームに勢いをつけたい」と快走を期す。

スピード型の鍋島は前々回が5区で区間賞、前回が3区で区間2位と駅伝は絶対に外さない選手だ。鈴木と2人で10キロ以上の3区と5区を担う。

関根は初マラソンだった3月の名古屋ウィメンズでMGC(※)出場資格を得たが、その後は低迷している。スタミナ型の関根が復活して5区を任せられるようになれば、上りに強い鈴木を1区に起用するプランも浮上する。そうなれば序盤からから独走に持ち込むという展開も十分に考えられる。

関根に続き鈴木も初マラソンだった8月の北海道で優勝し、MGCの資格を得た。マラソン練習で走り込んでも、スピードが落ちなかったという。スピード面で駅伝への影響はなく、精神的には余裕が生じている。

高橋昌彦監督は「個人の目標とチームの目標を両立させたい。最後は選手たちの気持ちが表れます」と年間計画を念入りに立てた上で、本大会に挑む。主将でもある鈴木が18年の年頭に立てた誓いが「MGC出場資格獲得とクイーンズ駅伝優勝」だ。2つの目標達成に向けて創部5年目のJP日本郵政グループが宮城の舞台に挑む。

※MGC=マラソン・グランドチャンピオンシップ。東京五輪マラソン代表選考会。詳細はこちら>>