早大が13年ぶりにシード権を失った。往路15位から浮上を狙ったが総合12位。最終10区で小沢直人(4年)が先行する明大をかわして中大と競り合ったが、10位の中央学院大に1分16秒届かなかった。07年からシードを続けた12年間で5位以内が10度、大正、昭和、平成の3つ時代すべてで優勝を果たしてきた名門が、平成最後の箱根で2ケタ順位に沈んだ。

相楽豊監督(38)は「学生はよく戦った。これが今のチームの力です。私の指導力、マネジメント力不足でした」と一切の責任を背負った。確かにベストオーダーで戦えなかった。

エース永山博基(4年)は春先から右大腿(だいたい)骨疲労骨折、鼠径(そけい)部痛に苦しみ、今季は3大駅伝を含めてレースに出場できないまま終わった。夏に右膝を痛めた太田智樹(3年)は、昨年に続いて2区に挑んだが21位と失速した。5区に予定していた吉田匠(2年)は12月24日に自転車に乗っていて自動車と接触し、救急搬送。左肋骨(ろっこつ)骨折で欠場を余儀なくされた。

「走れなかったことは申し訳なかったと思います。前日(2日)まで出るつもりで調整しましたが…」と永山。太田智は「この成績に終わったのすべて自分のせいです。せめて去年(区間6位)の走りができていれば…」と唇をかんだ。

4区区間3位で主将の意地を見せた清水歓太(4年)は、今年のチームをこう分析した。「永山の力、智樹の力は分かっています。それを生かせないのが今のチームの力。オーダーを組めず、チームとして戦えなかった。上級生が下級生の力を引き出せなかった」。高校時代から注目された逸材を擁する一方で、選手層が薄いという弱点があらわになった。

出雲10位、全日本15位のに続く2ケタ順位の低迷から抜け出す道はあるのか。相楽監督は言った。「他校のレベルアップに対する私の読みも甘かった。これまでの常識にとらわれていては強くなれない。伝統を生かしながら新しいものも取り入れていきたい」。早大の再起をかけた戦いが始まる。