20年東京五輪の男女マラソンと競歩のコースについて、国際オリンピック委員会(IOC)が東京から札幌への変更案発表から一夜明けた17日、日本陸連は対応に追われた。麻場強化委員長は「情報収集と対応を進めていくというところ。今は(風間)事務局長を通じて(強化部会合の日程調整を)やってもらっています」。善後策を話し合う強化トップの会議を設定するためにあわただしく動いた。

前夜は日本陸連事務局からの電話で変更案を知った。携帯電話に向かって「なんと!」と思わず声を上げたという。この日午後1時で、強化部門の幹部とはまだ顔を合わせて話せていないという。麻場委員長は、棄権者が続出した世界選手権ドーハ大会に日本選手団の監督として同行。札幌変更案のきっかけとなった同大会だが「私は(変更まで)思ってなかった。ドーハでああなって、ますます暑熱対策をして、東京五輪に臨まないといけないと考えた。コースが変わるとは思ってなくて。冗談で『競歩のコースに寿をつけたらいいかもしれない』と話していたが…。まさか都市が変わるとは。だって東京五輪ですから」と率直な心境を口にした。

札幌に変更になった場合は、東京を前提として積み重ねてきた暑熱対策などを札幌に合わせてリニューアルする必要がある。また札幌ドームがスタート、ゴール地点に浮上しているコースの分析も必要だ。麻場委員長は「そう(札幌)なれば、対策や準備はしますが、まだ決まっていないので。いずれにせよ、決まれば、強化としては対応するしかない」と話していた。