新発田商の荒井雪絵(3年)が、10日号砲のしばた女子マラソン(新発田市五十公公園陸上競技場発着の42・195キロ)で、フルマラソンに初挑戦する。

トラック競技での全国大会出場経験はないが、底なしのスタミナを持つ長距離ランナー。目標タイムは、2時間48分台で、近い将来に女子の県記録2時間38分47秒(05年)の更新を狙う。

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未知の距離42・195キロに挑戦する荒井は、不安より期待の方が大きかった。「1位でゴールして、マラソンの達成感を味わいたい」。苦しい練習後の達成感を走る楽しさに変えてきた長距離ランナーは、初マラソンでこれまでに感じたことがない達成感を味わうつもりだ。

荒井がフルマラソン挑戦を決めたのは5月の県高校総体直後だった。専門の3000メートルで転倒。記録が振るわず、リベンジの場をマラソンに求めた。「もっと長い距離を走りたい」。公式レースの最長は、北陸選手権(8月=福井)の1万メートル。しかし、そのタフネスぶりは難波克栄監督(46)も公認済み。「1キロ3分50秒から4分くらいのスピードであれば、どこまでも走る感じ」だと言う。

10月31日の県高校女子駅伝では、最長6キロの1区を任され区間4位(チームは14位)。駅伝を走った疲労は残らず、3、4日の練習では合計20キロを走った。早朝は、学校から1・5キロ離れた五十公野公園内の1・6キロコースを周回し、放課後は同競技場で走る。10月上旬には30キロを走って、マラソンのシミュレーションを行った。「『走れる』と感じた。これにプラス約12キロ。結構、いいタイムを狙えると思った」と荒井は言う。30キロ1時間57分台の記録をマークし自信を得た。

「県の高校で25年間指導しているが、高校生のフルマラソン挑戦は記憶にない」。そう話した難波監督はマラソンの指導は初めてながら、荒井には明確なレースプランを授けた。「後半の失速を防ぐため、前半は抑える」。目標タイムは1キロ4分ペースの2時間48分台。完走後のターゲットは、県記録2時間38分47秒の更新だ。「2、3年後には県新記録を出したい」と荒井は、マラソンの達成感を何度も味わう決意だった。【涌井幹雄】

◆荒井雪絵(あらい・ゆきえ)2001年(平13)11月26日、新発田市生まれ。本丸中ではバスケットボール部に所属し、ポジションはガード。高校から陸上を始める。5月の県高校総体1500メートルで8位。高校卒業後は、地元企業に就職予定。陸上は個人的に続行する。157センチ、46キロ。