日本陸連は16日、都内で理事会を開き、東京五輪の男子400メートルリレーの代表選考基準について「個人種目は原則として1種目のみとする」との選考要項を提案した。五輪は競技日程が過密で、金メダルを目指す男子400メートルリレーのメンバーの体力的な負担軽減が目的。しかし、100メートル、200メートルと個人2種目出場を目指すサニブラウン・ハキーム(20=フロリダ大)ら選手からは早速、疑問の声があがった。来年3月までに結論を出す方針だ。

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サニブラウンは、東京五輪での個人2種目出場の決意を率直に述べた。100メートルは日本記録9秒97、200メートルは日本歴代2位の自己記録20秒08で、2年前の世界選手権では世界最年少で決勝に進出した。「両種目」でのメダルが、今のモチベーションだ。

サニブラウン ぶっちゃけて言うと個人100、200に出てからのリレー。やりたいことをやらせてもらった方がパフォーマンスもモチベーションも上がる。一本に絞るというのは、考え的には分からなくはないが、できる選手もいる。個人の両種目でメダルを取るために日々練習をしている。リレーは正直に言ってしまうと、二の次になる。個人種目を頑張った上で、リレーも手を抜かないスタンスでやっていければ。

かねて日本陸連側はサニブラウンを指導するホロウェイ・コーチ側へ、種目を絞ってもらいたい意向は伝えていたが、サニブラウンの意志は固いようだった。

今秋の世界選手権では100、200メートルともに出場した小池は「リレーに注力をするならば、考えられる対策だと思う。人によるのではないか。できる選手もいる。一括でルールを作るより、個々で相談をして決める方がいいのではないか」と話した。