「人間じゃねぇ、あれ」。東洋大の今西駿介(4年)は2年前、青学大の小野田勇次にトップを譲り、そう発した。その姿がテレビで流れ、陸上ファンの名言として残った。

そして最後の箱根路。3年連続の山下りを任された今西は、57分34秒をマークした。東海大館沢の57分17秒という驚異的な区間新記録には及ばなかったが、当時の小野田の記録58分3秒を上回った。

2年前の自身のタイムは59分31秒だった。昨年は自身が58秒12と成長を示したが、小野田は57分57秒だった。「人間じゃねぇ、あれ」と目標にしていた存在を超えた。