陸上のセイコー・ゴールデングランプリ(GGP、日刊スポーツ新聞社共催)は23日に東京・国立競技場で開催される。来夏の東京オリンピック(五輪)のメインスタジアムとなる舞台で、地元五輪での飛躍を目指す国内トップ選手が火花を散らす。特に注目は男子100メートル。桐生祥秀(24=日本生命)山県亮太(28=セイコー)ケンブリッジ飛鳥(27=ナイキ)小池祐貴(25=住友電工)多田修平(24=住友電工)ら9秒台が期待できる豪華メンバーが集う。

9秒98の前日本記録保持者・桐生には2度目の9秒台の期待が高まる。1日の今季初戦は10秒04。試合勘、トップスピードが仕上がり途中の段階で、好記録を残した。レースで刺激が入り、さらに状態が上向けば、大台を突破できる可能性は十分だ。

セイコーGGPは「優勝を狙って走りたい。(記録の目標は)べストを考えている」と意気込む。コロナ禍でも、前向きに今できることに集中。デッドリフトなどウエート器具を自宅にそろえ、人の少ない早朝と深夜にマスク姿で近所を走った。限られた環境でも、最善を尽くし、好調なシーズンインにつながった。

かねて国立競技場を陸上界の「聖地」としたい思いを持っている。野球なら甲子園、ラグビーなら花園とあるが、陸上は思い浮かばない。「今まで陸上は聖地がなかった。これから国立を聖地にできるようにしたい。国立で走るのは楽しみもあるが、プロとしては結果を追求していきたい」と話す。昨年12月のオープニングイベントでも足を踏み入れたが、実戦で走るのは初めてとなる。東京五輪は個人種目で決勝進出が目標。まずは1年前に、国立競技場を好印象の地とする。

大会はTBS系列全国ネットで23日午後3時から生中継される。