全国高校駅伝が20日、たけびしスタジアム京都発着(男子7区間42・195キロ、女子5区間21・0975キロ)で行われる。男子の浜松商(静岡)は、4年ぶり17度目の出場。先月の県高校駅伝では3区を走り区間7位と振るわなかった牛誠偉(ぎゅう・せい、3年)が、大舞台で雪辱を果たす。

浜松商の牛が、初の都大路へ、気合を高めている。「県大会では実力を出せなかった。全国大会では持ってる力を出し、周囲への感謝を示したい」。先月末、チームで京都市内のコースを下見。自身は4区を見て「下りが続く区間。いかに速いペースで押していけるか」と、冷静に分析する。

中学時代は目立った成績を残せなかったが、「高校で長距離をやるなら浜商」と同校へ進学。だが、1年時は練習に対する意識が低く「どこにでもいるランナーだった」と振り返る。それでも2年春ごろ、妥協せず練習に打ち込む同級生、尾崎健斗の姿に影響され、練習への熱量が上がった。

昨年冬からは休日返上で走り込み、今春の休校期間中も1日20キロ以上を走り続けた。今夏以降はペース走などで尾崎とペアを組むようになり、必死で食らいついた。その結果、先月の記録会で5000メートル14分13秒89と自己ベストを更新。地道な努力を形にした。

“粘り”が持ち味で「相手の背中を追うランナー」と自覚する。浜松市北部の5区を任された5日の「しずおか市町対抗駅伝」では言葉通り、終盤の粘りでチームを3位から1位へと押し上げ、優勝に貢献。「都大路でも粘りの走りを見せたい」と、飛躍を誓った。【河合萌彦】

◆牛誠偉(ぎゅう・せい)2003年(平15)2月17日、浜松市生まれ。小3からチーム細江で陸上を始めた。浜松市立入野中を経て浜松商へ入学。186センチ、62キロ。血液型AB。家族は両親と姉。母は元マラソンランナーでソウルオリンピック(五輪)5位入賞の趙友鳳(ちょう・ゆうほう)さん。

<1区起用濃厚の尾崎「楽しみ」>

エース区間の1区(10キロ)起用が濃厚な尾崎は「後半に下りがあり、そこでペースアップになると思う。対応できる力をつけないと」と気を引き締める。先月の長距離競技会では5000メートルで13分54秒88を記録し、同種目の県高校記録を25年ぶりに更新。好調を維持して本番に臨む。「都大路には格上の選手がいて不安はあるが、楽しみも大きい。本番では持ち味の安定感ある走りをしたい」と話した。