特別なシーズンを最後まで走りきった。女子で9年連続9度目出場の旭川龍谷は1時間13分38秒で38位に終わった。昨年から順位を1つ下げたが、タイムは34秒縮めた。1区を走ったエース菊地結香(3年)は「今年前半は大会が全然なかったけど、ずっと練習を積んできた。タイムも伸びてきたけど、全国の壁は高かった」と目をはらした。

最長6キロを走る花の1区。当初、阿部文仁監督(44)は他選手の起用を検討も、部員の意見もあり3年生に託した。3年連続出場の菊地は、序盤は第2集団に位置するも、3キロ過ぎの上り坂で失速。「想像よりもきつかった」。タイム、順位とも過去最低だった昨年以降、今大会の雪辱を誓い練習後に独自メニューを積んだ。11月には3000メートルの自己記録を更新も、力を発揮できなかった。

コロナ禍で部活動休止や総体の中止、9月には工藤凜果(1年)が朝練習を終えて寮に戻る途中に交通事故にあった。命に別条はなかったものの動揺がある中での道予選5連覇だった。今大会前には旭川市でコロナ陽性者が急増。京都入りする3日前から自主隔離を余儀なくされるなど苦難が続いた。阿部監督は「気持ちが切れることなくやってくれた」とたたえた。

来年は出場すれば10度目の全国だ。3区で区間23位と健闘した2年の足沢花南は「チームを引っ張っていける存在になりたい」。試練を乗り越えた経験は、来年に必ずつながる。【浅水友輝】

▽旭川龍谷・石川苺(8月に負った右足疲労骨折から回復し1年で唯一出場)「すごく悔しい。来年はチームのベストを目指して1区で良い流れをつくれる選手になっていたい」