陸上男子100メートル前日本記録保持者の桐生祥秀(25=日本生命)が23日、書き初めで今年の目標を記した。漢字1文字で「動」。

その理由について、桐生は「今は1人1人が大変な時。自分の走りで人の心を動かせればいい」と語った。この日は契約するアシックス社のイベントに出席した。

再び陸上界の歴史を“動”かす。日本人で初めて「10秒の壁」を破って、9秒98を出したのは、もう3年半も前。19年には9秒97を出したサニブラウン・ハキーム(21)に「日本記録保持者」の称号も奪われた。「最近、自己ベストを出していない。日本記録を奪還したい。日本記録に桐生祥秀と名前が残るように走りたい」。再び日本記録を塗り替える。

日本中が注目する舞台で、感“動”を届ける。ちょうど半年後に迫った東京五輪へ向けても「こういう時代だからこそ、スポーツっていいなと思ってもらえる走りをしたいと思う。有観客だとうれしいですけど、無観客だったとしても、応援は映像などを通してたくさんある。応援を背負って、自分のベストを尽くしたい」。ずっと日本人では、1932年ロサンゼルス五輪以来の吉岡隆徳以来となる男子100メートル決勝進出が目標だ。それができれば、人の心を動かせる走り-となる。

ポスト東京五輪も見据える。「東京五輪のおかけで陸上が盛り上がった。ただ、2021年が終わると、選手はいろんな事を行動をより一層しないといけない」と話した。