多田修平(24=住友電工)が大会記録を1日に2度更新し、頂点に立った。

予選1組で自身が20年にマークした6秒58を上回る6秒57の大会新記録。さらには決勝で6秒56をたたき出した。桐生祥秀(日本生命)が決勝を棄権する中で実力を示したが「6秒54の日本記録(川上拓也、サニブラウン・ハキーム)を狙っていた。決勝の方はスタートが出遅れたトラブルがあった。そこだけが反省点」と満足する様子はなかった。

1年延期となった東京五輪では個人で決勝進出、400メートルリレーで金メダルを目標に掲げる。屋外で行われる100メートルの参加標準記録(10秒05)突破が、直近の照準となる。自己記録は17年にマークした10秒07。本格的なシーズン到来に向けて「やっぱり今年は9秒台を出したいと思っていますし、日本選手権(6月、大阪)までに標準記録を突破したい」と誓いを立てた。【松本航】