宮城の女子1500メートルでは、仙台育英・米沢奈々香(3年)が昨季日本選手権2位の実力を発揮。新1年2人のペースメーカーを務め、4分28秒40で渡辺来愛(くれあ)とワンツー・フィニッシュを決めた。

仙台育英で今季、女子長距離陣の主将を務める米沢がチームリーダーの役目を果たした。前日28日の予選(計3組)で総合2位の渡辺、同3位の橘山莉奈とともにトップ通過。ゴール目前で橘山が4位に後退し、目標の表彰台独占は逃したが、渡辺が4分29秒86の自己ベストで続き、「1年生を(4分)20秒台で走らせる」という釜石慶太監督(34)との約束を果たした。

昨季日本選手権でマークした4分15秒62の自己記録は度外視。100メートルごとに腕時計をチェックしながらペースメーカーに徹した。米沢は「(表彰台独占を逃して)ちょっと残念ですが、後ろの様子を見ながらプランどおりにペースメークできました」と後輩たちをけん引。成長著しい渡辺は「すごい人が身近にいるので刺激になります」と感謝した。

東北大会を自身初の全国高校総体出場につなげる。1年時は出場権を得たが、全国大会直前に左脛骨(けいこつ)を骨折して棄権。コロナ禍の昨年は大会中止に泣いた。東北大会後は参加標準記録を突破している日本選手権(6月24日~、大阪・ヤンマースタジアム長居)が控える。東京五輪前の同選手権の雰囲気を味わうことは将来の大きな糧になる。3000メートルでも全国高校総体出場を狙う米沢は「目の前の試合に全力を尽くす。(高校)最後の年なので優勝を目指してキャプテンとしてチームを引っ張っぱる」と年末の全国高校駅伝(19年優勝、20年3位)につなげるつもりだ。【佐々木雄高】