旭川龍谷が1時間12分26秒で6年連続9度目の優勝を果たした。5区間のうち区間賞4人と圧倒的な走りで2位札幌創成に5分57秒差をつけた。3年生部員5人の絆と下級生の思いが1つとなり頂点に立った。男女の各優勝校が全国大会(12月26日、京都)の出場権をつかみ、旭川龍谷が10度目の都大路に挑む。

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秋晴れの下、旭川龍谷女子メンバーの笑顔が輝いた。2区から4人連続で区間賞獲得。2位に6分近くの差をつける圧勝で6連覇を達成した。アンカーの足沢花南(3年)は「オーバーペースにならずに走れた。みんなが迎えてくれてうれしかった」。右手を大きく突き上げながらゴールテープを切った。

昨年の全国大会で2区を走った石川苺(2年)が1区で起用された。スタートから先頭集団でレースを引っ張ったが、ラスト1キロ付近で北海道栄の松木に離され、20秒差の2位でタスキをつないだ。「申し訳ない気持ちが大きいけど、後の区間の人たちが1番で帰ってきてくれてうれしかった」。優勝直後、先輩足沢と抱き合い涙を流した。

1年生の走りも光った。2区の山本望結(1年)は初の駅伝に「緊張しました」と言いながらも、最初の1キロ付近でトップをとらえ、3区石橋桜主将(3年)につないだ。4区中野芽衣(1年)は「自分の走りができた」とうなずいた。

3年生部員5人の深い絆がある。毎年3年生が手作りのお守りを製作。今年は3年生の名前に全員「花」「華」がつくことから、サクラの形をモチーフにしたマスコットを作成。石橋主将は「巡り合えた仲間5人の力で、1つの花は小さくても、みんなが集まれば大きな木になるという意味でつくりました」。昨年全国で5区を走った高橋花和は今回補欠に回ったが、石橋と足沢に手紙を送り「全国は3人で走ろうね」と約束した。

9度目の優勝も阿部文仁監督(45)は「全国のゴールが頂上だったら、今はまだ7合目、8合目付近」と胴上げは封印。全国大会の過去最高は14年の19位。今回の目標は明確で、昨年の8~10位に相当する1時間9分台だ。足沢は「ここは終わりじゃなくて通過点。都大路に向けてまたレベルアップしたい」。戦いはまだこれからだ。【山崎純一】