女子は十日町が19年ぶりに悲願の全国切符を勝ち取った。

5区間のうち4区間が区間賞で1度もトップを譲らない快勝。1時間14分13秒で6度目の優勝を飾った。最長の第1区6キロで村山愛美沙(2年)が2位に1分49秒差をつける激走で後続を引き離した。全国大会は12月26日京都で行われる。

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十日町の5区、アンカー山田は両人さし指を突き上げ、ゴールテープを切った。仲間の元へ駆け寄ると「都大路に行けるね」と全員で笑顔と涙を流しながら歓喜の輪を咲かせた。

流れを作ったのは1区の村山。序盤、新潟第一の小林と競り合ったが、中継点では1分49秒の貯金を作った。「他のチームは気にせず、とにかく自分の走りをしようと心掛けた」。2区の福原に「行けるよ!」と声をかけ、背中を押してたすきをつないだ。村山の快走で波に乗ったチームは1度もトップを譲らなかった。

昨年の悔しさを晴らす村山の走りだった。昨年の県高校駅伝では1年生ながら5区アンカーを務めたが、コロナ禍で異例のトラックレース。思うような走りはできず、1位と52秒48差の2位に終わり悔し涙を流した。「都大路に行こう」を合言葉にチーム全員で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。1区1位通過に「2区以降のメンバーへ、アドバンテージが取れたと思った」。村山は役割を果たし、胸を張った。

「全国切符」を手にするまで長い19年だった。メンバー唯一の3年生、田中は「ほかの学校にないくらい、2位の悔しさを知っている学校」と言った。「負けたチームもいるんだ。その中で自分たちが代表になって走るということを忘れない」。田中は県代表という責任を持って都大路に挑む。【飯嶋聡美】