第98回東京箱根間往復大学駅伝(1月2、3日=東京・読売新聞社前~箱根・芦ノ湖、10区間217・1キロ)開幕まで、あと2日となった。箱根路を彩った記憶に残るランナーを紹介する4回目は、1997年(平9)大会で3年連続区間賞を達成した「山の神」順大の今井正人です。

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◆1997年1月2日、5区(小田原~箱根・芦ノ湖23・4キロ)

山登りの5区で順大の今井正人(4年)が、トップの東海大から4分9秒差の5位でたすきを受け取ると、4人をごぼう抜きして2年連続で往路優勝のテープを切った。昨年出した区間記録を25秒も縮める1時間18分5秒で、同区の3年連続区間賞を達成した。

「自分にはここしかないので」。小田原中継所でたすきを受け取った時、トップの東海大とは4分9秒差の5位。さすがに今井自身も「届かないかな」と思った。しかし、日体大の北村に食らいつかれてエンジンがかかった。最大傾斜角11度の9・5キロすぎ、大平台前で北村を振り切り、東洋大の釜石を抜いて2位に浮上。歯を食いしばり、16キロ地点でトップを走る東海大の石田を一気に抜き去った。主将としての責任を見事に果たした。

5区では史上5人目の3年連続区間賞。05年の11人、昨年の5人と合わせて、3年間で合計20人を抜いた。最終学年の今年は天候にも恵まれ、区間新で「山登りの今井」の強さを実証した。

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