全国高校総体(インターハイ)陸上男子400メートルのチャンピオン、鈴木大翼(おおすけ=新潟明訓)が今春、法大に進学し、24年パリオリンピック(五輪)出場を目指す。昨年10月の記録会では自己の持つ400メートルの県高校記録47秒26を0秒59塗り替える46秒67をマーク。伸び盛りは、早くも目標へのスタートを切っている。

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鈴木が名前の通り「大きな翼」で目標に向かって羽ばたく。進学する法大3年時に迎える24年パリ五輪への出場が着地のターゲット。持ち味は高1で出場した茨城国体少年B100メートル優勝で実証したスピードだ。100メートルの自己記録10秒51のスプリント力が最大の強み。パリ五輪への“助走”は、始まっている。

3年生は現在、登校免除。デンカビッグスワンなどで1人、自主練習に励んでいる。スピードを生かすための持久力アップを課題に、長い距離を走ってきた。専門の400メートルはスピードとスタミナが要求される種目。練習は苦しいが手抜きなしだ。「1周(400メートル)のためにキツい練習をする。1人で追い込むことができるかどうかでトップになる選手と、ダメになる選手に分かれる」。

心肺機能などの向上を図る練習を高校の陸上部が行う時は参加してきた。週2回は後輩にまじって練習だ。シーズンインのレースは3月12日の日本陸上室内競技・大阪大会のU20男子60メートル。新潟明訓の登録で最後のレースになるが、鈴木にとってはパリ五輪への第1歩だ。「試合感覚を取り戻す」と法大入学前に目標への“レース”の号砲は鳴る。「練習は本当に苦しいけれど走ることを運動会のように楽しむ。純粋に走りを楽しむ」。苦しさの果ての喜びを、パリ五輪を、鈴木はつかみ取りにいく。【涌井幹雄】

◆鈴木大翼(すずき・おおすけ)2003年(平15)4月30日生まれ、弥彦村出身。陸上は弥彦小1年から始め短距離、中距離、長距離すべてを経験。弥彦中3年の全国中学大会では100メートルと200メートルで4位。400メートルの自己記録46秒67は県高校記録。176センチ、68キロ。血液型O。